秋田県の山間部にある小さな小学校で6年生の担任をしている者です。今日は、私たちの学校で起こった素敵な出来事をお話ししたいと思います。
出入りの写真館が閉館
毎年、私たちの学校の卒業アルバムと卒業式のスライドショーを作ってくださっていた地元の写真館の館長さんが、高齢のため閉館することになったんです。
それを聞いたとき正直なところ途方に暮れました。
写真撮影は何とか職員で回せても、卒業アルバムの制作は現実的でない。それに創作苦手の私がスライドショー作りもするなんて…
でも、これ以上の仕事増は学校も許してくれそうにない。そんな中で、新しい卒業アルバム制作の方法を探すことになったんです。
理想のアルバムを求めて
実は、最近の状況の変化で、従来の卒業アルバムの形も見直す必要がありました。
職員が日頃から積極的に写真を撮影し、保護者の方々もクラウドシステムで自由に閲覧とダウンロードができるようになっています。
そこで、シンプルでありながら洗練された雰囲気のアルバムができないかなと考えていました。
でも、予算の制限もあって高価なデザイン重視のものは難しい。かといって、ただ写真を並べただけのものでは物足りない…。
生徒たちの熱意に応えたい
卒業アルバムの問題と並行して、卒業式に上映する「思い出スライドショー」の制作も頭を悩ませていました。
例年なら担任の私が一手に引き受けていたんですが、今年はちょっと難しそう。
生徒の「卒業対策委員会」発足
そこで思いついたのが、スライドショー制作の一部を卒業生に手伝ってもらう方法。「卒業対策委員」として10人ほど選出して、写真選びからスライド作りまでやってもらおうと考えたんです。私は管理者として内容が適切かどうかを確認する役に回ればいいのではないかと。
でも、この案を提案したら、思わぬ問題が浮上しました。「ゼロからスライドショーを作るのは生徒たちにとって負担が大きすぎるんじゃないか」という意見や、「プライベートでパソコンを持っていない生徒が5人もいる」ということが分かったんです。
最初はスマホでも大丈夫だと思っていたんですが、細かい調整や書き出しのサイズ制限を考えると、やっぱりパソコンの方が適しているみたいで。
生徒主体の制作が保留に…
結局、生徒主体のスライドショー制作は再検討することになったんです。でも、生徒たちは「少しでも参加したい」という意気込みでいっぱいで。その熱意を無駄にしたくない、でも、どうすればいいんだろう…そんな風に悩んでいました。
「おもいでアルバム THE MOVIE」をネットで発見
そんなとき、検索サイトで見つけたのが「キッズドン!のおまかせアルバム THE MOVIE」というサービスでした。
短編動画を4本制作し、その写真でアルバムまで作ってくれる。しかも、完成した動画は動画ファイルだから自分たちでカスタマイズできる!
これなら、スマホでも簡単に編集できる。生徒たちの思いにも応えられる。まさに私が求めていたものでした。
みんなで作り上げた思い出
生徒たちと一緒に、先生方が撮りためた写真や動画の中からベストショットを選ぶ作業に取り掛かりました。
みんな真剣な表情で、時には笑いながら、思い出の1枚1枚を選んでいく姿に胸が熱くなりました。
キッズドン!から成果物として届いた動画を初めて見たとき、生徒たちからは「このままで全然いいじゃん!」という声が上がりました。
とは言うもののやる気マックスの生徒たち、そこからが本当の楽しみでした。
いろいろなアイデア
iPhoneに搭載されているiMovieを使って、生徒たちは思い思いにアレンジを加えていきました。「先生や友達からの一言コメント」を入れたり、文字をポップに装飾したり。中には自らJASRACの申請を出して人気の曲をメドレーにして当てはめる子もいました。
特に印象的だったのは、運動会のシーンに、みんなで練習した応援歌を重ねた場面です。画面の中の自分たちが踊る姿に合わせて、録音した歌声が流れる。それを見た生徒たちの目が輝き「あの時の気持ちを思い出した」って声が上がったんです。
動画制作自体がおもいでに
そんなやり取りの作業自体が、私にとってもう一つの大切な思い出になっていました。
パソコンを持っていない子も、友達と一緒にスマホを覗き込んで、アイデアを出し合っている。この制作方法を選んで良かったなって思うシーンでした。
最後に、みんなで作った動画を見返したとき、メンバーはこの上ない笑顔で溢れていました。写真を選ぶところから、編集まで、みんなで協力して作り上げた。そのプロセスそのものが、かけがえのない思い出になったんだなって、しみじみ感じました。
大合唱の上映会
卒業式の後、教室でみんなに配ったアルバムを開かないように言って、スクリーンに動画を映し出しました。始まった瞬間、教室中が歓声に包まれたんです。お気に入りの曲が流れると、みんなで歌い出して…。
生徒たち、保護者の方々、そして私たち教師も、6年間の思い出を一緒に振り返り、分かち合う。そんな素敵な時間を過ごせました。
小さな山村学校での思い出づくり、続けます
これからも、この方法を次の担任の先生に引き継いでいきたいと思っています。小さな山村の学校での新しい思い出づくり。きっと、子どもたちの心に深く刻まれることでしょう。
私たちの経験が、同じような悩みを抱えている先生方の助けになれば嬉しいです。