新潟県に住む小学生の母親として、子どもの卒業を控え頭を悩ませていたことがありました。
それは、遠く離れて暮らす祖父母や親戚と、小学校卒業という節目の喜びをを分かち合えることができるかな〜という思いでした。
孫に首ったけの祖父母を喜ばしたい
祖父母は本当に孫に首ったけで、時々遠回しに「こんどはいつ来れる?」と連絡を入れてきます。
私もパパもその思いに応えようとLINEでこまめにスマホ撮影の写真を送ったり、ビデオ電話をしたりと、色々手を尽くしてはいます。
でも、「元気そうだね」「大きくなったね」といった返事は来るものの、何か物足りない。
祖父母の方は、スマホの小さな画面で見るのも一苦労だし、親戚みんなで同時に見られるわけでもない。もっと楽しく心に残る方法はないものかしら…と。
旧態依然の卒アルに不満噴出
それとは全く別に一つ気がかりだったのが卒業アルバムのことです。上の子の時のアルバムを思い出すと、正直がっかりしたんです。
フエルト生地の表紙に学校名と卒業年度が箔押しされた昔ながらのデザイン。中の写真は外見の豪華さとは裏腹に、ただ境目なく並んでいるだけで面白みがない。
しかも、肝心の我が子の写真が豆粒みたいに小さいのが数点あるだけなんです。
「これで1万円を超えるの?」他の保護者からも不満の声が上がっていて、毎年数件は学校に異議申し立てがあるくらいです。
すでに持ってる写真に似たり寄ったりの写真ばかりで…
さらに、掲載されている写真のほとんどが、私たち保護者が普段から撮っているものと似たり寄ったり。
「結局、卒業アルバムって本当に必要なのか」という疑問すら湧いてきて、保護者懇談会でもこの話題で盛り上がったものです。
今の時代に合った新しい形のアルバムがないものか…。
でも、具体的にどんなものがいいのか自分でもうまく説明できない。「卒アル見開きのPDFをスマホの横画面で見る?」なんて思いついても、それが良いのか悪いのか、まったく自信が持てなくて。
そんな悩みを抱えていた時、学校から驚きの提案がありました。
担任から想定外の発表が
「今年の卒業アルバムは、ちょっと違うんです」
先生の言葉に、正直最初は戸惑いました。また変なので出てきたのかな、と内心冷ややかだったんです。
でも、そのサンプルを見せてもらった瞬間目が釘付けになりました。
短編動画とハードカバーアルバムのセットという思いもよらないコンテンツでした。
プロの手によって写真が生まれ変わったように動き、子どもたちの笑顔がリズミカルに流れる動画に、「これはひょっとしてみんなで盛り上がるかも」と少しワクワクした気持ちになりました。
同窓会での鑑賞会
そして、夏の同窓会。大スクリーンに映し出されたおもいで動画に、想像していた通り会場が歓声と笑い声に包まれました。卒業生も、親も、先生も…。
子どもたち30人の元気な声で「次は運動会です!」なんてナレーションが入ったり、全校生徒で作った人文字をドローンで撮影したシーンがあったり。
業者さん制作の動画に、先生や生徒たちが加えた演出があってまるで映画のような仕上がりでした。
さらに動画と同じ写真を使用したアルバムが
さらに動画で使用した写真を再構成したハードカバーアルバムが、一人一人に贈られたんです。
生徒紹介、とある学校の一日、1年から6年のあゆみダイジェスト、先生からのメッセージという、ポイントを絞ったコンパクトな構成に好感が持てました。
ページをめくるたびに、動画の一コマ一コマが蘇ってくる。デジタルムービーとアナログ写真、二つの「おもいで」が見事に融合している感覚です。
大画面テレビにキャストして郷の両親にサプライズ
でも本当に嬉しかったのは、YouTubeの限定公開で動画を祖父母と共有できたこと。
夏休みにこども含めて帰郷し、パパが自分のスマホをテレビにキャストして鑑賞会を開きました。
大画面に映る孫とその友達の姿に「素敵ね、感動したわ」という声が。アルバムも見せると祖父母は「こんな風に孫の成長が見られるなんて」と大喜びでした。
小学校の6年間のたくさんの思い出が詰まったザ・ムービー。このアルバムを開くたびに、きっと心が温かくなるんだろうなと予感します。
(本内容は、お客様へのインタビューを基に当方の加筆を行い再構成しています)