保育士になって初めて年長クラスを担任した私。
16人の子どもたちと過ごす日々は喜びに満ちていましたが、卒園が近づくにつれ寂しさも募っていきました。
「みんなが最高の笑顔で卒園できるように」そんな思いで日々を過ごしていました。
例年通りアルバム制作を業者に依頼
例年通り、キッズドン!さんにアルバム制作をお願いする時期が来ました。打ち合わせの際、「子どもたちが心から喜ぶアルバムにしたい」と伝えると、思いもよらない提案をいただいたのです。
従来のアルバムとは全く異なる提案
キッズドン!さんの提案は、従来のハードカバーアルバムから大きく異なるものでした
- 1. 短編動画4本をメインコンテンツとする
- 2. 使用した写真を紙のアルバムも作成
- 3. 保育園の一日を時系列で追った内容構成
- 4. イベント写真よりも日常の様子を重視
- 5. 園児プロフィールとメッセージを中心に
- 6. 関係者みんなで一緒に見られる形式に
「イベントの写真は各家庭ですでに持っているはず。あえて大々的に載せる必要はありません」という言葉に、目から鱗が落ちる思いでした。
私も動画制作に参加しておもいでを残したい
キッズドン!さんは基本的なテンプレートを用意してくれますが、私にはさらなる夢がありました。「こんなことを取り入れたい」「あんなイメージで作りたい」…そんな思いを伝えると、びっくりする提案をいただきました。
「納品物をご自身で再編集してはいかがでしょうか?」
そうか、デジタルだから自分好みに再編集ができるんだ!この発見は、私たちの小さな挑戦の始まりでした。
私は以前からスマホ撮影の動画をiPhpneのi-Movieで簡単編集してインスタにアップしていたことから、カスタマイズの提案はすっと受け入れることができました。
園と保護者の理解を得て
従来の卒園アルバムに疑問を感じている方が増えている現状で、この新しい「おもいでアルバム」は解決の糸口になるかもしれません。1名あたり4,980円という低価格も魅力的でした。
サンプル動画とアルバム持参でプレゼンを行い、幸いにも園と保護者の方々から賛同を得ることができました。
試行錯誤のオリジナル動画撮影
キッズドン!さんから「撮影された動画があれば、こちらで組み込むこともできます。それを納品後さらに先生で加工しても面白いでしょう」と提案され、私たちのオリジナル動画制作が始まりました。
実は撮影テクニックを良く知らない私は、ただただカメラを向けるだけでした。
でも、そんな私の不器用な姿を見て、子どもたちが自然と協力してくれるようになったんです。
園児も先生も手をさしのべてくれて
「先生、カメラこっちに向けた方がいいよ!」
「僕、レフ板持ってあげるね」
子どもたちの言葉と行動が本当に嬉しかったです。彼らの純粋な気持ちがこの動画をもっと素晴らしいものにしてくれると確信したんです。
そして、驚いたことに職員の皆さんも次第に協力的になってくださいました。「このアングルいいね」「手ブレ防止のキット持ってきたから使って」「ミラーレス一眼貸そうか?ズームで撮れるよ」
みんなの協力で、撮影のクオリティがどんどん上がっていきます。特に印象に残っているのは、子どもたちの「将来の夢」を語ってもらうシーン。
画用紙に描いた夢を持って、カメラに向かって語る姿は本当に輝いていました。何度もNGを出しても、めげずに頑張る悠介くん。いつも簡易レフ板で光をコントロールしてくれた知恵ちゃん。先生のメッセージ撮影時に、大きな字で書いたメッセージボード(カンペ)を高く掲げてくれた薫ちゃん(笑)。
「先生、今日は撮影ないの?」と、撮影が無い日は寂しそうな顔を見せる子どもたち。その姿を見るたびに、この行動が正しかったんだと感じました。
動画を扱うのは順調ばかりではなくて
もちろん、すべてが順調だったわけではありません。撮影した映像の大半が使えなかったり、カメラのモニターでは明るく見えていたのに、パソコンで確認すると暗すぎて使えなかったり…。編集作業は本当に時間との戦いでした。
でも、そんな時こそキッズドン!さんの力を借りました。「動画より写真でのスライドショーの方が高品質になることも」「写真はトリミングしても品質を保てるが、動画は難しい」といったアドバイスをいただき、少しずつ品質を上げていくことができました。
納品動画とオリジナル動画をジョイント
いよいよキッズドン!さんから納品された動画と私たちのオリジナル動画を組み合わせる時が来ました。
「上手くできるかな?」「せっかくの動画を台無しにしてしまわないだろうか…」と正直不安がありました。
でも、実際に作業を始めてみるとそれは杞憂だったことがわかりました。
まず、BGMを変更することから始めました。子どもたちと一緒に選んだ、みんなが大好きな曲に替えていきます。するとどたった一つの変更で、動画全体の雰囲気がガラリと変わり、より私たちらしいものになっていきます。
次に、納品された動画の合間合間に、私たちのオリジナルシーンをカットインしていきました。
例えば、給食の様子を映したシーンの後に、子どもたちが真剣に「いただきます」をしている映像を入れたり、外遊びのシーンの後に、園庭で大はしゃぎする子どもたちの姿を挿入したり。
そして、これが一番楽しかったのですが、手書きフォントでテロップを入れていきました。「○○くんの大好物はカレーライス!」「△△ちゃんは虫探しの名人」など、子どもたち一人一人の個性や、クラスでの思い出を盛り込んでいきました。
Youtuberになれるかも
編集作業を進めていくうちに、だんだんと手が勝手に動くようになってきて…。
「もしかして、私、YouTuberの才能あるかも?」なんて、ちょっと調子に乗ってしまったほどです。
最後に、動画の締めくくりとして、子どもたち全員で撮影した「ありがとう」のメッセージシーンを追加しました。
キッズドン!さんの動画だけでも十分だったのですが、こうしてオリジナル要素を加えることで、まさに世界に一つだけの宝物ができあがりました。
自分が手伝ったシーンで大騒ぎの鑑賞会
そして迎えた卒園式当日。上映が始まると、会場は笑顔と歓声に包まれました。
「あ!これ私が撮影手伝ったやつだ」「先生、ここで笑わそうとしたの覚えてる?」
子どもたちは画面に映る自分たちを指さし、大はしゃぎ。保護者の方々は涙ぐみながら微笑んでいました。特に、日常の何気ない瞬間を捉えた映像に、多くの方が感動していたのが印象的でした。
動画に刻まれた心に残る思い出
卒園式の翌日、子どもたちから次々と嬉しい報告が。
「先生、家族みんなでもう一回見たよ!」
「車の中でずっと動画の音楽聴いてた!」
「テレビで見たらみんなの顔がはっきり見えたよ!」
この「おもいでアルバム」が、彼らの心に深く刻まれたことを実感しました。
新しいことへの挑戦は、不安もたくさんありました。でも、みんなで力を合わせて作り上げた今回の経験は、完成した動画以上に私の宝物になりました。
来年はまた違う形になるかもしれません。でも、その時々で最高の思い出を作れればいい。そう思います。
キッズドン!さん、そしてこの挑戦に賛同してくれた皆さんに感謝を伝えたいです。ありがとうございました。